「ぶあああああああああああああああ!!!!!!!」
ビンタが止んだ一瞬で、両手で头を抱えこんで健士はうずくまる。
同时にレフェリーがダウンを宣告した。
(何だ、何が起きたんだ……俺はダウンさせられたのか、それとも自分から……わからねえ、とにかく头がキンキンする……)
华奢な女性が対戦相手の男に膝をつかせた状况に、観客は大兴奋している。
そしてダウン中である健士に向かってサリアは悠然と近づいていく。
「大したことないのね、キックボクサーさん?」
「くっ、うううううう……」
片膝を付いてかがみこみ、健士の顔を覗き込みながらサリアが乱れた髪をかきあげると、花のような香りが周囲に漂う。
ダウン中といっても、明らかに相手に危害を加えない限り减点もされないしレフェリーも注意しない。
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バトルファック自体が劣情を诱うためのショーなのだ。
今のサリアの嗫きも会场にモニタリングされている。
屈强な男が言叶责めをされているシーンは観客たちにとっても贵重だった。
「それでも表の世界ではチャンピオンなんでしょう? 早く立ち上がりなさい」
余裕たっぷりにサリアが微笑みながら声をかけると、健士の肩がビクンと震えた。
(チャンピオン、そうだ……俺はチャンプ、一番强いんだ!)
健士はぼやける视界と、まとまらない思考の中でも自分を见失わなかった。
そして気づいたときには両足で立ち上がっていた。
「やれるか? コムトウ」
「ああ」
レフェリーからの问いかけに、ほとんど反射的に答えていた。
同时に闘志を宿した瞳でサリアを睨んでいた。
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「まだまだ楽しませてくれそうね」
そしてレフェリーが离れ、両手を交差させた。
「ファイッ!」
その挂け声と同时に健士が踏み込む。
まだ指先の感覚が戻っていない。
「シッ!」
それでも缲り出すパンチにスピードが戻っていた。
サリアは冷静に手のひらで健士の攻撃をさばいてゆく。
(左左右左、左左左……)
凉し気な表情のままでサリアは健士の攻撃リズムを探っていた。
健士もそのことを承知の上で拳の弾幕を加速させていく。
(反撃がこない……これならいける、このまま続ければこいつの防御を崩せる!)
彼の思惑通り、しばらくはサリアが防戦一方だった。
重さはなくても速い拳。
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