「ッ!?」
突然やってきたキスに健士は戸惑い、会场からはざわめきと冷やかしの声が上がった。
敌とは言え美形のサリアである。
キスされたという事実が彼の意识を惑わす。
残念なことに、健士は女性に対しての経験が圧倒的に少ないのだ。
「ムグッ!!」
「兴奋してるんだ? かわいい」
チュッチュッチュ……
「あふ、あっ、やぁ……」
「ふふっ、隙だらけのチャンピオンさん。耻ずかしいね」
チュッチュッチュッチュッチュ……
さらに何度もキスをされた健士は、次第に头の中がぼんやりしてしまう。
恍惚感に似た感覚が彼を包み込む。
その様子を见ながらペロリと舌で唇を舐めてから、サリアが腰を落とす。
「麻酔は充分みたいね。じゃあ本気でいくわよ」
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ドンッ、ドム、ドスッ、ゴブッ、ドムンッ……
「がっ、ああっ、あっ!」
コーナーポストをギシギシ揺らしながらサリアの拳が小気味よく埋め込まれていく。
公开処刑に似たサリアの连打に観客から再び歓声が沸き上がる。
痛めつけられている健士の姿は大画面に映され、さらなる兴奋を煽った。
だが健士はまだ试合をあきらめていなかった。
「ハァ、ハァ、くそ……负けねえ……ぞ」
「すごい。心が折れていないのね」
絶望的な状况で殴られて、なお闘志を持ち続ける健士を见てサリアは手を休める。
握っていた拳を开き、手のひらを上に向けてその指先に彼の颚を乗せた。
「あ……」
健士は自分の视线が固定されたことに気づく。
はじめに意识したのは彼女の唇だった。
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つややかでプルプルした感触と甘い香り……
あの唇に呼吸を夺われた直后、无数のパンチが降り注いできたのだ。
(俺は、この女に胜てないのか……)
心が萎えかけるが、胸の隙间を埋めるように得体の知れない感覚が涌き上がってくる。
(なんだ……?)
见えなくてもわかる。
何故か兴奋しているのだ。
股间がむず痒い。おそらく自分は勃起している……
(马鹿な、これは……そうだ! 聴いたことがある、
男は本能的に危机感を覚えると勃起することがあるって……
だからこれは、俺がこの女に対している感情ではないッ)
必死で自分に言い闻かせる。それでも兴奋が収まらない。
目の前の女を见ているだけでペニスが痛くなるほど膨れ上がるのを认めたくなかった。
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