対応を一手间违えれば连続でダメージを受けてしまうのは彼女も同様だ。
健士の攻撃は素早く、鋭く、细やかだった。
ゆえに反撃となるカウンター技を简単に出せずにいた。
そしてついに均衡が崩れる。
「あっ……!」
サリアが小さく叫ぶ。
右肘がコーナーのロープに触れたからだった。
(これはチャンスだ!!)
健士はここぞとばかりに集中力を高める。
サリアがコーナーから脱出しようとしているのは明白だ。
しかも足の位置から考えて自分の左侧へ彼女が逃げてくることもわかった。
「くらえええええっ!!」
モーションを杀した左のショートフックでフェイントを入れる。
腕を引きながら、全力で右フックを放つ健士。
その浑身の一撃がサリアの左頬に炸裂しようという瞬间――、
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ドズッ……!
「ご、ぉあ……ッ!!」
小さく丸いサリアの左膝が、健士の右脇腹に突き刺さっていた。
「こ、こんな……」
「私がキックを使わないと思って油断してたんでしょ? バカね」
マウスピースを口から出しそうな表情で健士は彼女を睨む。
だが正确に肝臓の真上に膝で一撃を叩き込まれた彼には、それが精一杯の行动だった。
「ふっ!!」
サリアは膝蹴りの直后、右フックを放つ。
无防备な彼の颚先を握りしめた拳の先端がかすめた。
ピシッ……
「あがっ!」
瞬间的に脳を揺さぶられ、健士の左半身が軽く麻痺を起こす。
たまらず左膝から崩れ落ちそうになる彼を助けるように、サリアが右腕でクリンチをした。
「私の肩を贷してあげる。そのまま甘えてなさい」
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「くっ……」
「もちろんレンタル料は払ってもらうわよ」
「なにを、あぶっ、おぐうううう!!」
ドスッ、ドスドスドムンッ!!
美女に抱きしめられたまま健士が呜咽を漏らす。
サリアはクリンチの体势で正面から左の连打を彼の腹筋に叩き込み、じわじわとリングの中央へと押し戻していった。
「やめっ、おごっ、ぶっ!」
「もう少し踊りましょう? ふふふふ」
无情なボディ打ちが十秒程度続いた后でサリアの右腕が健士を解放した。
そのまま健士はリング中央に両膝を付いてしまう。
(つ、つええ……何だこの女、この俺が一方的に……)
レフェリーが駆け寄り、ダウンの宣告を始めようとした时だった。
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