暂く时が过ぎ、何人かの老人たちが船を漕ぎ始め、なんとなくそろそろ解散かという雰囲気が辺りに漂い始めた。
その时だった。
胡坐を掻き、膝の上に置いた手、その甲に浮かんだ血管をなぞるように萌さんが指を这わせてきたのは。
「っ…」
ぞくぞくとした感覚が背筋を这い上ってきて、顔がさらに热くなる。
「この后、うちにいらっしゃいませんか?饮み直しながら、お话ししましょう?」
耳元に顔を近づけ、甘く嗫かれる。
どくどくと鼓动が高鸣った。
酒に酔って上気した頬。とろんと蕩けた瞳。
凄艶としか言いようがない色香に、くらくらする。
脳裏に、彼女の顔が浮かんだ。
「ね?」
萌さんがさらに身を寄せてきて、僕の腕が柔らかな感触に埋もれる。
その魅惑の感覚に、彼女の顔が消し飞んだ。
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***
宴会がお开きになった后、僕は萌さんに诱われて彼女の家にやってきた。
集落からはちょっと离れた、林の中にある一轩家だった。
「野菜を作れる庭もあって家赁が5千円。とてもありがたいです。さ、海斗さん、どうぞお上がりください」
「は、はい………」
返事をする僕の声は固い。
先ほどは彼女の诱惑に简単に颔いてしまったが、1月の冷たい夜风に当たった事で、多少酔いも覚めた今となっては、罪悪感に胸が痛んでいる。
だが、今更断って帰るのも気が引けた。
そもそも、萌さんは饮み直しながら、お话ししましょうと诱ってくれただけだ。
その言叶と、柔らかな身体の感触に胜手に淫らな妄想を膨らませたのは僕だ。
もし萌さんにその気がないのに胜手に妄想しているのだとしたら、死ぬほど耻ずかしい。
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(ただ、饮んで话すだけ。もしそれ以上の事になりそうだったら、その时に改めて断ればいい………)
そう覚悟を决めて、萌さんの家に足を踏み入れる。
萌さんは居间のエアコンと炬燵のスイッチを入れ、
「寒いので、热燗にしましょうか?」
硬くなっている僕を振り返って寻ねる。
「は、はい、なんでも……」
「分かりました。寒いので、炬燵に入っててください」
「はい……」
言われるまま、炬燵に下半身を入れる。
じんわりと温まってくる感じが、実に心地いい。
暂く待っていると、お盆に徳利と御猪口、それにおつまみを载せて萌さんがやってきた。
炬燵の反対侧に体を滑り込ませた萌さんが御猪口を僕に渡してくれ、徳利を倾ける。
「あ、やります」
「ありがとうございます」
徳利を受け取り、萌さんの御猪口に酒を注ぐ。
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