口内の残りの白浊液もゆっくりと饮み干して、佐仓井さんが微笑む。
「気持ちよかった?」
「うん………凄く………」
半ば放心状态で脱力している俺に寄り添うように、佐仓井さんも并んで座る。
「言い忘れてたけど、昼间は庇ってくれてありがとう」
「い、いや………」
「前田くん、凄く格好良かった。石狩さんの事も、本当に大事にしてて………素敌だなぁ、て」
「そ、そんな事は………」
佐仓井さんによって二度も射精させられた今、佐仓井さんに悪気はないにしても、その言叶は罪悪感を刺激するばかりだった。
「前に一度、告白してくれたよね」
「う、うん………」
「今日の二人を见てて、ちょっと后悔しちゃった。もしあの时、素直に颔いていたら、今の石狩さんみたいに前田くんと一绪にいられたのかなって」
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「そ、それって………」
「私、前田くんの事が好き」
「えっ………」
「ほんと、今更だけどね。正直、告白して贳えて凄く嬉しかった。でも、颔くことができなかったの。私、ちょっと男の人が苦手で。子供の顷に辛いことがあって、だから怖くて………」
「御両亲の事?」
「知ってるの?」
「俺、新闻部だったから………昔の新闻で记事を见つけたんだ。その、强盗に袭われて佐仓井さんの御両亲が杀害された事件………佐仓井さんだけが生き残ったって……だから、この学校に来たんだよね?」
「うん………」
「わ、悪い。辛いことを思い出させちゃって………」
「うんうん。いいの。今ではわかってる。全部の男の人が、そういう人じゃないって。前田くんみたいに优しい人もいるんだって」
「そんな、俺なんか……でも、そんな辛い过去を持つ人が简単に人を杀すはずがないって思ったんだ」
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「そう言うところだよ。优しくて、格好いい。ねぇ、戻る前にもう一つ、お愿いしていい?」
「な、何………?」
「私を、抱いて」
「な、ななな、何を言って……俺には爱菜が………」
佐仓井さんが头を上げ、俺を见つめる。
その瞳は、まるで星空の様に辉いて见えた。
「前田くんとの思い出が欲しいの。寂しいの。寒いの。不安なの。このまま死にたくないよ。怖い。でも、前田くんと一绪なら。だから………」
佐仓井さんが顔を寄せてきて、唇を重ねられる。
避けようと思えば避けられたはずなのに、俺は避けようとはしなかった。
微かに震えを帯びた佐仓井さんの言叶。声。肩。
もし拒絶してしまったら、その繊细な心が壊れてしまうような気がして。
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